2010年5月1日土曜日

自動販売機

現在は自販機では実に多様なものが販売されている。
ドリンクやタバコは言うに及ばず、切符、入場券、たまご、米、納豆、おでん、新聞、雑誌、CD、DVD、花に下着などなど…中でもよく利用するのがドリンクやタバコなどを買うときと、電車の切符を買うときだろう。ところで、この二種類の自販機には決定的な違いがあることにお気づきだろうか。
それは、硬貨投入口の形。飲料類自販機の投入口は横型だが、駅で切符を販売するものは縦なのである。
これは一体なぜなのだろうか?
言うまでもなく、自販機は入れられたお金が何円かを識別しなければならない。
コインの大きさや重さ、色などでそれを行うわけだが、この識別装置の設置方法の違いが、縦型と横型の差を生んでいるのである。
縦型の投入口だと、入れられたコインはコロコロ転がって素早く識別装置に入り、商品が購入可能になる。
少しでも遅ければ客にストレスを与え、行列ができて業務にも支障をきたす。そこで、切符の発券機には縦型の投入口が採用されているのである。
では、なぜ飲料用の投入口は横なのか。飲み物を買うときだって早いに越したことはないはずだが?
実は、縦型には欠点がある。識別装置がスペースを取ってしまい、自販機のサイズが大きくなることだ。
対して、横型を使うとコンパクトに収まる。飲み物やタバコなどの自販機は、設置場所の都合上、なるべくスリムなデザインにしなければならない。
その上で、商品を可能な限り多く入れる必要がある。多少処理は遅くとも、場所を取らない横型投入口を使ったほうが有利、ということなのである。
穴の形状の差は、販売商品や利用者に合わせて、これ以上ないほど考え抜かれているのだ。
また、最近は投入時にコインが入れやすく、誰でも利用しやすいユニバーサルデザインの自販機も登場している。
使いやすさのために日々たゆみない努力を続ける自販機メーカーの方に改めて敬意を表したい。
そして飲み物の値段、もう少し下げてもらえないだろうか。