2010年5月6日木曜日

下痢と便秘の薬は同じもの?

白血病は白血球数が増加する病気である。対してエイズは白血球が少なくなるという症状がある。ということはこの二つに同時にかかれば相殺しあって二つとも治る…なんていうジョークがあるが、便秘と下痢に同じ薬が使われているといったらこれと同じようなものではないか。 だが、現実に便秘でも下痢でも同じ薬を売ることが多いのである。
 
 そのからくりを説明しよう。 食物を消化する腸が正常に機能していれば下痢にも便秘にもならないのは当たり前である。 しかし体調が崩れ、腸の蠕動(ぜんどう)運動が早くなると水分の吸収が不十分になり、便に水気が多くなって下痢になる。反対に蠕動が遅くなると吸収されすぎて便秘になる。
 つまり下痢も便秘も腸の調子が狂うことが原因という面では同じようなものなのだ。そこで腸の調子を整えてやれば便秘下痢どちらにせよ快方に向かうというわけである。
 これがいわゆる「整腸剤」というもので下痢にも便秘にもきく重宝な薬である。