2010年5月17日月曜日

色つきタイヤはなざ無いのか

現代はカラー志向である。一昔前は、この製品にはこの色という「定番の色」があったが、今はカラーバリエーションも増え、それによって売り上げが増減する世の中だ。
 だが、やはり変わらぬ定番の色を守っているものも数多い。例えば鉄アレイ。普通あれは必ずといっていいほど黒い。やはり黒が一番重厚感が出るからだという。また、赤や黒の冷蔵庫なんていうのもない。白や水色など清潔感がある色が選ばれている。
 
 こうしてみると、製品のイメージにあった範囲内でカラーが決められているのがわかる。
だが、車のタイヤはどうだろうか。工場で使われるフォークリフトなどごく一部を除いて、「黒」しかない。ホイールの色は数あれど、タイヤは黒以外まず見かけない。 赤や白のタイヤがあっても良さそうなものではないか。なぜタイヤは黒色しかないのだろうか?
 
 タイヤはゴムでできているが、ゴムそのものは元々乳白色をしている。つまり、タイヤの黒は天然のものではない。
 実は、黒色の正体は炭素の粉である「カーボンブラック」と呼ばれる物質。カーボンブラックはタイヤの原材料の実に25%程度を占めており、補強剤として使われているのだ。
もしこれが入っていないとタイヤは消しゴムのように柔らかくなってしまい、とても道路を走ることはできない。タイヤの黒にはそれなりの理由があったのである。
 では、どうしても色つきのタイヤを作れないのかというと、まあ作れないことはない。他の補強剤を使えばカラーのタイヤを作れるが、強度は著しく落ちてしまう。カーボンブラックに代わる材料はいまだ発明されておらず、実用に耐えるカラータイヤは作れない、というのが実状のようだ。
 
 いずれ技術が進めばカラータイヤは当たり前の時代が来るかもしれない。 だが、そうなってもやはり黒タイヤが一番人気がありそうである。